車の所有権解除とは?ローン完済後の手続きと売却時の必要書類

「車を売ろうとして車検証を見たら、所有者の欄がディーラーやローン会社の名前になっていた」。オートローンで買った車では、よくあることです。

結論から言うと、所有者がディーラーやローン会社の名義でも、所有権解除の手続きをすれば車は売れます。基本の流れは「ローンを完済(または売却時に一括精算)→所有者の会社から解除書類を受け取る→名義変更」です。買取店に売る場合は、解除の書類集めから名義変更までを買取店が代わりに進めることも多く、ご自身で運輸支局へ行く必要はありません。

この記事では、所有権留保のしくみ、解除を依頼する先の見分け方、普通車と軽自動車で違う必要書類、つまずきやすいポイントを順番に整理します。

所有権留保とは?車検証の「所有者」と「使用者」

ローンで車を買うと、ローンを払い終えるまでの間、車検証の「所有者」をディーラーやローン会社にしておく契約が一般的です。これを所有権留保といいます。毎日乗っているのはご自身なので、ご自身は「使用者」として車検証に記載されます。

車を売る(名義を買い手に移す)ことができるのは、原則として車検証上の所有者です。軽自動車検査協会の案内でも、車検証の使用者と所有者が違う場合は、あらかじめ所有者(自動車販売店やローン会社など)の同意を得たうえで手続きを行う必要があるとされています。つまり、使用者であるご自身だけの判断では名義を動かせないため、所有者の会社から「所有権を解除してよい」という書類を出してもらう必要があります。

まず車検証の所有者欄を確認しよう

紙の車検証なら「所有者の氏名又は名称」の欄を見ます。令和5年1月から始まった電子車検証では、国土交通省の資料によると所有者の氏名・住所はICタグに記録される事項とされています。券面で所有者が見当たらない場合は、ICタグの記録内容を確認できる「自動車検査証記録事項」などで確かめましょう。

  • 所有者がご自身の名前:所有権解除は不要です。通常の売却書類で手続きできます。
  • 所有者がディーラー(販売店)の名前:そのディーラーに所有権解除を依頼します。
  • 所有者が信販会社・カード会社・ローン会社の名前:その会社に所有権解除を依頼します。
  • 所有者が亡くなったご家族の名前:所有権解除ではなく相続の手続きになります(相続した車の売却をご覧ください)。

所有権解除から売却までの流れ

ご自身で手続きする場合も、買取店に任せる場合も、大まかな流れは同じです。

  1. ローンの状況を確認する:完済しているか、残っている場合はいくら残っているか(残債)を確認します。
  2. 所有者の会社に連絡する:車検証の所有者欄の会社に、所有権解除の書類がほしいと伝え、必要なもの(依頼書・委任状・印鑑証明書など)を確認します。
  3. 書類を送る:会社の指定する方法(郵送・FAX・Web申込など)で、依頼書や本人確認の書類を送ります。
  4. 解除書類を受け取る:会社から、所有者としての譲渡証明書や委任状、印鑑証明書などが届きます。
  5. 名義変更をする:普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします。売却する場合は、この名義変更を買取店が行います。

書類が届くまでの日数は会社によって違います。例として、大手カード会社の公式案内では「通常、受付より約1週間ほどで書類発送」とされています。乗り換えの納車日や、年度末までに手放したいなど売る時期が決まっている方は、早めに連絡しておくと安心です。売り時の考え方は車を売るタイミングはいつ?でも紹介しています。

ローンが残っている場合は?

所有権解除の書類は、ローンを払い終えてから発行されるのが基本です。ある大手カード会社の案内では、解除書類を請求する条件として「ローンは完済または残金一括予定」であることが挙げられています。ローンが残っていても売却できる場合がありますが、残りの金額と車の査定額の関係によって進め方が変わります。詳しくはローンが残っている車の売却をご覧ください。

所有権解除で求められる書類の例

所有者の会社に解除をお願いするときに、こちらから出す書類は会社ごとに違います。各社の公式案内でよく見られるものを一覧にしました。実際の必要書類は、必ず所有者の会社に確認してください。

書類内容・注意点
車検証のコピー電子車検証の場合は「自動車検査証記録事項」を求める会社もあります。連絡先の電話番号を余白に書くよう求める例もあります。
所有権解除の依頼書・委任状会社の書式があればそれを使います。普通車は実印、軽自動車は認印でよいとする会社もあります。
印鑑証明書発行から3か月以内のもの、と指定されるのが一般的です。軽自動車は運転免許証のコピーで足りるとする会社もあります。
完済を確認できる書面ローン会社から届く「契約終了のご案内」などのコピーを求めるディーラーもあります。
自動車税の納税証明書のコピー今年度分を求めるディーラーもあります。
住民票・戸籍の附票など車検証の住所・氏名と、今の住所・氏名が違う場合に必要です。

印鑑証明書は足利市ならコンビニ交付でも取れます。取り方は車の売却に必要な印鑑証明書|足利市での取り方、引っ越しや結婚で住所・名字が変わっている方は車検証の住所・名字が違う車を売るには?をご覧ください。

普通車と軽自動車で違う名義変更の手続き

所有者の会社から解除書類が届いたあとの名義変更は、普通車と軽自動車で窓口も書類も異なります。

項目普通車(登録車)軽自動車
手続きの窓口運輸支局(新しい使用の本拠を管轄するところ)軽自動車検査協会の事務所・支所など
所有者の会社が用意するもの印鑑証明書(発行から3か月以内)、実印を押した譲渡証明書、委任状など名義変更への同意(会社が出す書類は各社の案内による)
新しい所有者が用意するもの所有権解除の場合は、新所有者の印鑑証明書と実印(または実印を押した委任状)も必要使用者の住所を証する書面(使用者・住所が変わる場合)など
国の手数料登録手数料(検査登録印紙)がかかる車検証の記録事項の変更は無料(軽自動車検査協会の手数料表)

国土交通省の運輸支局の案内では、所有権解除の場合は、旧所有者(ローン会社など)が用意するものに加えて、新所有者の印鑑証明書と実印を用意するよう示されています。また、車検が切れている自動車はそのままでは名義の変更ができないとされています。車検切れの車を売りたい場合の考え方は車検切れの車は売れる?で紹介しています。

ご自身で名義変更をする場合は、窓口の受付時間内に運輸支局や軽自動車検査協会へ出向くことになります。通勤や農作業の合間に時間をつくるのが難しい方も多いでしょう。買取店に売る場合は、この名義変更を買取店が行うのが一般的なので、ご自身が窓口に行く必要はありません。

所有権解除でつまずきやすい5つのポイント

1. 所有者の会社の社名が変わっている

何年も前にローンを組んだ車では、車検証に載っているローン会社が合併などで社名を変えていることがあります。大手カード会社の公式ページでも、旧社名の名義になっている車の解除手続きの案内が載っています。車検証の社名で検索し、今の窓口を確認しましょう。

2. 完済したのに解除の手続きをしていなかった

ローンを払い終えても、所有者の欄は自動ではご自身の名前に変わりません。解除の手続きをするまでは、車検証の所有者は会社のままです。「とっくに払い終わっているから大丈夫」と思っていても、売る前に一度車検証を確認してください。

3. 以前もらった解除書類をなくした・期限が切れた

完済時に解除書類を受け取ったまま保管していたケースでは、書類の紛失や、同封の印鑑証明書が古くなっていることがあります。名義変更で使う印鑑証明書は発行から3か月以内のものが必要とされているため、古い場合は発行元の会社に連絡して、改めて書類を出してもらう必要があります。紛失した場合の手続きを用意している会社もあります。

4. 使用者ご本人以外が手続きをする

高齢の親の車を子どもが代わりに売る場合など、使用者ご本人以外が解除を依頼するときは、使用者本人が署名・押印した依頼書や委任状を求められるのが一般的です。契約者が亡くなっている場合は、相続人からの手続きとして別の案内になる会社もあります。免許返納にともなう売却は免許返納と車の売却もあわせてご覧ください。

5. 住所や名字が車検証と違う

車検証の使用者の住所・氏名と、印鑑証明書の住所・氏名が違う場合は、つながりを示す住民票や戸籍の附票、戸籍謄本などが追加で必要になります。解除の依頼と同時に準備を進めると、二度手間を防げます。

よくある質問

所有権解除をしないまま買取店に査定を頼んでもいい?

はい、査定は先に受けて問題ありません。車検証の所有者がディーラーやローン会社でも、査定額を知ってから解除の手続きを進める方は多くいます。査定の申し込み時に「所有者がローン会社になっている」と伝えておくと、必要な書類を事前に案内してもらえます。

所有権解除に費用はかかる?

軽自動車の場合、軽自動車検査協会での車検証の記録事項の変更は無料とされています。普通車の移転登録には国の登録手数料がかかります。所有者の会社側で手数料がかかるかどうかは会社によるため、解除を依頼するときに確認してください。買取店に売る場合の手続きの扱いは、契約前に確認しておくと安心です。

ディーラーとローン会社、どちらに連絡すればいい?

車検証の「所有者」の欄に書かれている会社に連絡します。所有者がディーラーで、ローンは別の信販会社という場合は、ディーラーから完済を確認できる書面を求められることがあります。迷ったら、まず車を買ったディーラーに問い合わせると、どこに何を出せばよいか教えてもらえます。

まとめ

  • 車検証の所有者がディーラーやローン会社でも、所有権解除をすれば車は売れる
  • 解除の書類は、ローンの完済(または一括精算)が前提。依頼先は車検証の所有者欄の会社
  • 依頼に必要な書類は会社ごとに違う。印鑑証明書は発行から3か月以内のものを用意
  • 普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で名義変更。買取店に売るなら手続きは買取店が行うのが一般的
  • 社名変更・書類の紛失・住所違いなどでつまずきやすいので、売る時期が決まっているなら早めに準備

スマイルカーズ足利店は出張買取専門店です。足利市・邑楽郡・みどり市へ無料で出張査定に伺い、査定後のキャンセルも無料です。佐野市・太田市・館林市・桐生市などの方も、当店のホームページ・電話・LINEから直接ご依頼いただいた場合は無料で伺います(日程はご相談ください)。所有者がディーラーやローン会社になっているお車、ローンが残っているお車もご相談いただけます。名義変更などの手続きは当店が行いますので、まずは買取の流れと必要書類をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。

参考:移転登録手続き(国土交通省 東北運輸局 宮城運輸支局)/名義変更(軽自動車検査協会)/道路運送車両法施行規則等の改正について(国土交通省)/所有権解除(お車の名義変更)について(三井住友カード)/所有権解除手続き(スズキ自販群馬)

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